FX初心者シリーズ「FXを始める前の基礎」02
FX(エフエックス)の取引画面で戸惑いやすいのが、同じUSD/JPYにBid(ビッド)とAsk(アスク)という2つの価格が表示されることです。
さらに、価格の横や取引条件にはpips(ピップス)やスプレッドという言葉も出てきます。数字は見えていても、それぞれが何を表すのか分からなければ、価格がどれだけ動いたのか判断できません。
まず確認したいのは、次の4点です。
- 売るときはBid、買うときはAskを使う
- BidとAskの差がスプレッド
- スプレッドは取引コストとして損益に影響する
- 値動きの幅はpipsという共通の単位で表せる
この記事では、説明用の価格例を使いながら、取引画面の数字を読むための基本に絞って説明します。注文方法やロットごとの損益計算にはまだ進みません。
同じ通貨ペアに2つの価格がある理由
FXでは、通貨ペアを売るときの価格と買うときの価格が同時に提示されます。読者であるトレーダーの立場では、Bidは売るときに使う価格、Askは買うときに使う価格です。
| 表示 | トレーダーが使う場面 |
|---|---|
| Bid | 通貨ペアを売るとき |
| Ask | 通貨ペアを買うとき |
Bidを「買値」、Askを「売値」と説明する資料もあります。これは、価格を提示する側から見た呼び方です。この記事ではトレーダー側に統一して、売るときはBid、買うときはAskと覚えてください。
画面によって表示位置やデザインは異なります。左か右かだけで判断せず、Bid・Askまたは売・買のラベルを確認してください。
BidとAskの差がスプレッド
通常、AskはBidより高く提示されます。この2つの価格差がスプレッドです。
USD/JPYが次のように表示されているとします。
| Bid(売る価格) | Ask(買う価格) | 差 |
|---|---|---|
| 150.120円 | 150.123円 | 0.003円(0.3銭) |
この例では、150.123円から150.120円を引いた0.003円がスプレッドです。
スプレッドが取引コストになる仕組み
上の価格でUSD/JPYを買う場合は、Askの150.123円を使います。価格が動かないまますぐ売ると仮定すると、売るときはBidの150.120円を使うため、0.003円の差が損失方向に働きます。
このため、スプレッドは取引コストの一つとして、取引を始めた時点から損益に影響します。実際の金額は取引数量によって変わります。スプレッド以外に手数料がかかるサービスもあるため、取引条件は別に確認が必要です。
スプレッドは常に同じとは限らない
スプレッドは、通貨ペアや取引サービスによって異なります。また、為替相場が急に動いたときや、取引が成立しにくい状態では広がることがあります。
画面や広告に示されたスプレッドだけを見て、いつでも同じ条件で取引できると考えないことが大切です。
pipsは値動きの幅を表す共通の単位
pipsは、為替レートがどれだけ動いたか、スプレッドがどれくらいあるかを表すときに使う単位です。円や米ドルのままでは通貨ペアごとに小数点の位置が異なるため、pipsに置き換えると値幅を共通の言葉で表せます。
一般的には、右側が円の主な通貨ペアでは0.01円、円以外の主な通貨ペアでは0.0001が1 pipsです。
| 通貨ペアの例 | 一般的な1 pips | 見る桁 |
|---|---|---|
| USD/JPY、EUR/JPYなど | 0.01円(1銭) | 小数点以下2桁目 |
| EUR/USD、GBP/USDなど | 0.0001 | 小数点以下4桁目 |
ただし、これは広く使われる読み方であり、すべての取引サービス・通貨ペアに同じ定義を当てはめられるわけではありません。実際の1 pipsの定義は、利用するサービスの取引条件で確認してください。
価格表示からpipsを読む
USD/JPYの例
USD/JPYが150.120円から150.170円へ動いた場合、値幅は0.050円です。右側が円の主な通貨ペアでは0.01円を1 pipsと読むのが一般的なので、この値幅は5 pipsです。
先ほどのBid 150.120円、Ask 150.123円の差は0.003円でした。同じ読み方では、スプレッドは0.3 pipsです。
EUR/USDの例
EUR/USDが1.10000から1.10050へ動いた場合、値幅は0.00050です。円以外の主な通貨ペアでは0.0001を1 pipsと読むのが一般的なので、この値幅も5 pipsです。
USD/JPYとEUR/USDでは小数点以下の桁が違いますが、どちらもpipsへ置き換えると「5 pips動いた」と表せます。
最後の1桁が1 pipsとは限らない
現在の取引画面では、USD/JPYを小数点以下3桁、EUR/USDを小数点以下5桁まで表示することがあります。このような3桁・5桁表示では、最後の1桁が一般的な1 pipsの10分の1(0.1 pips)に当たります。
たとえばUSD/JPYの150.120から150.121への変化は0.001円で、一般的な読み方では0.1 pipsです。表示されている小数点以下の桁数と、1 pipsを表す桁を同じものだと思わないようにしてください。
価格表示で今確認できればよいこと
取引画面に2つの価格があるのは、売る価格と買う価格が異なるためです。トレーダーは売るときにBid、買うときにAskを使い、その差がスプレッドとして取引コストに影響します。
pipsは、価格がどれだけ動いたかを表す共通の単位です。今の段階では、BidとAskを逆に読まないこと、スプレッドの差を確認できること、一般的なpipsの桁を使って値幅を読めることまで分かれば十分です。
ただし、pipsだけでは実際の利益や損失の金額は決まりません。次は、取引数量を表すロットとpipsを組み合わせて、同じ値幅でも損益額が変わる理由を確認します。
